2024/01/19 2024/01/19
学習塾は個別指導と集団指導の2種類に分けられます。かつては、集団指導の学習塾がメインでしたが、近年、一人ひとりの生徒の個性を重視する個別指導を取り入れる学習塾が増えています。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、個別指導と集団指導の違いや、それぞれのメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
目次
塾を選ぶ際、個別指導塾と集団指導塾のどちらがよいか迷うかもしれません。ここでは、両者の違いについて解説します。
個別指導とは、講師1名が1〜4名の生徒を対象として授業を行うスタイルのことです。大きな教室をいくつかのブースで区切って指導を行うタイプや、1組ごとで教室を分けるタイプがあります。どちらのタイプでも、集団指導よりも少ない人数で授業を行うことに変わりはありません。
個別指導は、一人ひとりの生徒の状況や個性にあわせ、授業内容を調整しやすいタイプの授業だといえます。1人の講師が複数の生徒を教える形式であっても、生徒一人ひとりの進み方は全く異なり、生徒ごとに個別のカリキュラムで授業が行われます。
集団指導は、1人の講師が1つの教室内に十数名以上の生徒を集めて授業を行うスタイルです。一般に「塾」としてイメージしやすいのが、集団指導かもしれません。学校の授業と同様、教室内の生徒全員が同じ内容の授業を受けます。
集団指導は、授業の内容や進度をそろえる必要があるため、学力別のクラス編成をして生徒の学力や志望校をそろえることもあります。
個別指導にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれについてみましょう。
個別指導のメリットは以下のとおりです。
・生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムを編成できる
・生徒が自分のペースで学習できる
・苦手科目だけを学習できる
・部活動などにあわせて通塾予定を決定できる
・講師と距離が近くコミュニケーションを取りやすい
個別指導の一番のメリットは、一人ひとりの状況や目標に合わせたカリキュラムを組んでもらえることです。受講開始前に受ける学力テストや教室担当者との面談などにもとづき、本人にとって最適なカリキュラムを編成します。
一度組んだカリキュラムでも、状況の変化に伴い柔軟に修正します。そのため、常に最適な学習カリキュラムで授業を行うことができるのです。
個別指導の場合、自分の理解にあわせて授業のスピードを調整することができます。理解が不十分な場合は、随時、講師に質問して理解してから次に進むことができます。自分のペースで勉強できるため、ストレスが少ないといえるでしょう。
個別指導は、希望する内容を選んで受講することができます。すでに分かっている単元の授業を受ける必要がないため、効率的に学習することができます。苦手科目に絞って、徹底的に弱点を補強するような受講もできますし、得意科目をより伸ばす指導を受けることも可能です。
生徒のニーズに合わせて受講できるのは、個別指導の大きなメリットといえるでしょう。
スケジュール調整を柔軟にできるのも個別指導のメリットです。部活動の大会が近い時期は授業の回数を減らし、テスト前に受講回数を増やすといったことも可能です。ただし、直前の授業変更は難しいことが多いため、ある程度余裕をもって塾側にスケジュール変更を申し出ましょう。
また、講師との距離が近いという長所もあります。講師が学生講師であれば、生徒と年齢が近いため、悩みを相談しながら授業を受けるといったこともできます。
個別指導のデメリットは以下のとおりです。
・仲間と競い合う環境が作りにくく緊張感を欠く
・講師と相性が合わないときがある
・集団指導よりも料金が高め
講師と距離が近かったり、少人数で授業を受けられるというメリットは、緊張感を欠く原因となります。仲間と競い合う環境が作りにくいため、ついつい、気が緩んでしまうかもしれません。
また、講師と仲が良くなりすぎて、なれ合いになってしまう可能性も否定できません。せっかく個別指導を受けていても、ぬるま湯につかる環境を作ってしまうと、成績が伸びにくくなるでしょう。
相性が悪い講師と出会ってしまうと、モチベーションが一気に下がってしまいます。講師の能力がいかに高くても、相性が悪ければやる気を出しにくくなるのです。塾によっては講師変更に柔軟に対応してくれるところもありますので、早めに教室担当者と相談したほうがよいでしょう。
料金面は、どうしても集団指導よりも割高になります。コストパフォーマンスを考え、集団指導と個別指導のどちらがよいか、成績状況などを見ながら判断する必要があるでしょう。
個別指導と対比されることが多い集団指導ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれの内容を見てみましょう。
集団指導のメリットは以下のとおりです。
・周りの生徒と競い合えるためモチベーションを高めやすい
・カリキュラムが決まっているため学習計画を立てやすい
・個別指導よりも料金が安め
集団指導学習塾の第一のメリットは、周りの生徒と一緒に勉強するため、モチベーションを高めやすいことです。集団指導の講師は、生徒のモチベーションを上げるための術に長けていることが多く、チーム一丸となって合格を目指すといった雰囲気を作りやすいのです。
学習進度が決まっているため、ある程度予測できるのも集団指導のメリットです。多くの場合、予習・復習の範囲が授業内で指定されるため、それにもとづいて学習すれば授業で困ることはほぼありません。
似た学力の生徒でクラス編成がされているため、自分の学力に見合った授業を受けられるというメリットもあります。
また、集団指導は個別指導よりも料金を安めに設定しているところがおおいため、リーズナブルな料金で通塾できるというメリットもあります。
集団指導のデメリットは以下のとおりです。
・振替授業が難しい
・個別指導に比べ、きめ細かな指導が受けにくい
・集中力を欠くことがある
集団授業の場合、個人の事情にあわせてカリキュラムを調整することができません。塾の授業と部活の試合が重なってしまい、欠席せざるをえなかったり、急病で塾を休まなければならなかったりしても、振替授業を設定するのは困難です。
最近は、授業の録画映像を視聴して欠席分を補える塾も登場していますので、そういった塾を利用することで欠席をフォローできます。
一人ひとりの生徒を把握しやすい個別指導に比べると、きめ細かな指導を受けにくいというデメリットもあります。疑問点があるときなどは、遠慮せず、講師に質問しにいきましょう。
他の生徒と一緒に学習していると、自分のペースを乱されてしまい、集中力を欠くことがあります。また、友だちと一緒に遊んでしまうこともあります。そうした生徒の場合は、集団指導よりも個別指導の方がいいかもしれません。
個人塾などでよくみられるのが「少人数集団指導」です。5名以内の生徒を対象とした集団授業で、大人数の集団指導よりも質問しやすく、講師と生徒がコミュニケーションを取りやすいスタイルです。集団指導と個別指導の良い部分を取り入れようという新たな試みです。
最近登場しているのが、自学中心の学習塾です。塾といえば、講師が授業をするスタイルが当たり前でしたが、生徒の自学自習を講師が管理・サポートすることで成績を伸ばすスタイルとして注目を集めています。
今回は、個別指導と集団指導のメリット・デメリットを比較しました。どちらのスタイルの学習塾を選んだとしても、大事なのは通う本人のやる気です。本人のモチベーションが低い状態で塾に通わせても、成績上昇は期待しにくいでしょう。日頃から、生徒と保護者で学習について話し合い、生徒のやる気を引き出してから塾に通わせるのが理想です。
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